彼の人は、華のようにうつくしかった。
そして、今も。

「ゆきー遅刻するよー?」
「…ん」

そのうつくしい彼の人を見つめながら起きれるということは至高の喜びだ。

「なーなー、今日の朝ごはんは何にするん?」

確か今日は運動会やろー?
したらやっぱり精の付くもん?
なんて、こちらを覗き込みながら小首を傾げるその姿も。
嗚呼、本当運動会なんてどうでもいい。
一日中誰にも邪魔されずに一緒にいられたら、どれだけ幸せだろうか。

「…べんと…つくらねぇと…」
「うっわ、今日も絶賛超低血圧やねー」
「…む」

そしてその姿を見る度に俺は思う。

「あーあ…俺も生きとったら、ゆきの飯食えたのに」
「…みつね…」

とっとと神が、俺をその膝元へ召してくれないかと。
そうしたら、このうつくしい人と、本当にずっと一緒にいられるのに。



運動会の日の朝







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紀貫之→広瀬幸正(ひろせ ゆきまさ)
凡河内躬恒→満介(みつすけ)